学力テスト 43年前担当の奥田真丈氏

4月23日 産経新聞
 ■「公教育の活性化期待」

 全員参加の学力調査では43年ぶりとなる全国学力テストが24日、小6と中3を対象に行われる。旧文部省の調査局調査課長として当時、テストの実施に汗を流した芦屋大学理事長、奥田真丈氏(84)が産経新聞社のインタビューに応じ、当時の苦労などを振り返った。また今回の“復活”で、生徒の親や地域住民が学校を評価する上での貴重なデータが得られると指摘、テストへの期待を述べた。(小田博士)

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 −−当時はどんな風に実施したのか

「予備調査を3県で行って、うまくいくかどうかを調べ、1年後に行った」

 −−苦労した点は

「日教組は学習指導要領に反対だから、その到達度を調べる学力テストにも同じ理屈で、組合員には石を投げられた。出先ではトイレに入るのも怖かった」

 −−昭和41年を最後にテストをやめた理由は

「自治体間の競争が激しくなったから。成績が優秀な県では『できない子を休ませている』との話が出回るなど、弊害も出た」

 −−今回、復活した背景をどうみるか

「少子化で子供の数が減っている上に景気が良くなり、家庭では教育費にかける財政的余裕が生じた。進学熱が高まっている」

 −−期待する点は

「(親や地域住民が)学校を評価する上で貴重なデータとなるはず。進学に強い私立だけが尊ばれるのは問題なので、公教育の活性化につながればと思う」

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 ■生活態度調査も/答案返されず

 全国学力テストの疑問点についてまとめた。

 Q 試験内容は?

 A 国語と算数・数学で、それぞれ基礎と応用問題にわかれる。学習態度   や生活態度のアンケートも行われる。

 Q どんなことが分かる?

 A 全国と都道府県ごとの成績を公表する。都道府県には市町村ごと、市   町村には学校ごと、学校には1人ずつの成績を通知する。自分の県が   全国でどのレベルにあるかや、生活習慣と成績の関係などが分かる。

 Q 答案は返される?

 A 返されない。プライバシー保護の意味もあり、採点や集計作業が終わ   ったら焼却される。その代わり、問題ごとの正答や間違いの状況が分   かるような個票が9月ごろに渡される予定。

 Q 休んだ場合はどうなる?

 A 欠席、遅刻、早退した場合は後で受験できる。ただし、全体集計には含まれない。

 Q 私立の扱いは?

 A 全国集計には含むが、都道府県や市町村の集計には入れない。

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【用語解説】全国学力テスト

 戦前の昭和初期、徴兵検査の際に成人を対象に漢字の読み書きや読解力を調べた「壮丁教育調査」が前身。高度経済成長期の昭和31年、旧文部省が戦後初めて、小中高の約120万人に対し、全国規模の学力テストを実施した。36年、全員参加へ拡大すると、日教組が反対闘争を激化させ、逮捕者も出る事態に。このため同省は40年から抽出型に縮小、41年、「教育課程の改善に必要な資料を得られた」として、翌年度からの中止を決めた。
posted by マリンちゃん at 09:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全国学力テスト
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