小中学生対象の全国学力調査

4月に約40年ぶりに小中学生対象の全国学力調査が行われます。公立は100%参加で私立は6割参加とのこと。ただ東京の私立の参加は2割ということで各都道府県で差があるようです。

ゆとり教育についての議論が進む中、全国学力調査の結果も気になるところですし、結果によっては、公立中高一貫校などにも影響を与えるでしょう。しかし、東京の私立校のコメントは強烈です。

女子学院は
「調査の必要性を感じない」
「私立は独自のカリキュラムを採用しており、それぞれ学習進度が違う」
「公立の場合は、学力調査の結果、点数が低いところには手厚く補うということかもしれないが、私立の場合は比較データが出てもあまり意味がない。授業をしたほうがいい」

慶応義塾中等部
「独自に年間計画を立て、授業時間を決めているので、その1日を調査にあてるのではなく、授業に使いたい」

開成中学
「4月下旬は、運動会に向けての準備やボートレースの応援練習などで多忙な時期で時間がとれないことに加え、初めてでもあって今回は様子を見ることにした」

40年ぶりに行われる小中学生対象の全国学力調査についての記事を時系列に紹介します。


2007年02月16日 asahi.com
全国学力調査、公立は犬山市を除き参加 私立は約6割

4月に約40年ぶりに行われる小中学生対象の全国学力調査について、文部科学省は16日、国公立は愛知県犬山市立を除くすべての学校、私立は全体の62%が参加するとの見通しを明らかにした。

都道府県や教育委員会を通じて調査していたもので、同省は「公立はほぼ100%の参加で、調査の趣旨を理解してもらえたと考えている。私立は参加の必要性を感じない学校もあると思うが、今後も趣旨を説明していきたい」と話している。

調査は小学6年と中学3年を対象に行われる。公立校については、参加の有無が各市町村教委に委ねられている。犬山市は「調査が教育理念にあわない」として、参加を見送ると回答したという。


2007年02月16日 asahi.com
全国学力調査、東京私立の参加率2割止まり

4月に約40年ぶりに実施される全国学力調査について、東京都内の私立校の参加は約2割にとどまり、全国の私立平均の約6割より大幅に低いことが16日、わかった。不参加校は「自校のカリキュラムを優先した」「学力の把握は自前でやっている」など、様々な理由を挙げている。(根本理香、上野創)

都の担当者によると、学力調査に参加する私立校の割合は21%。内訳は、小学校が全52校のうち16校で31%、中学は178校のうち32校で約18%となった。

進学校として知られる女子学院は「調査の必要性を感じない」として不参加を決めた。田中弘志院長は「私立は独自のカリキュラムを採用しており、それぞれ学習進度が違う」とし、「公立の場合は、学力調査の結果、点数が低いところには手厚く補うということかもしれないが、私立の場合は比較データが出てもあまり意味がない。授業をしたほうがいい」と話した。

慶応義塾中等部の山崎俊一主事も「独自に年間計画を立て、授業時間を決めているので、その1日を調査にあてるのではなく、授業に使いたい」と言う。

開成中学にとって学力調査が行われる4月下旬は、運動会に向けての準備やボートレースの応援練習などで多忙な時期という。宮崎哲朗教頭は「時間がとれないことに加え、初めてでもあって今回は様子を見ることにした」。

参加率が低い理由について、東京私立中学高等学校協会の近藤彰郎会長は、「東京の私立は学校の順位が(模擬試験などの)偏差値でわかっているし、生徒それぞれの伸びを見るには外部の模試なども利用している」と指摘。「参加するよう圧力を行政当局から受けた地域もあると聞くが、東京は私立の独自性・自主性からあくまで任意というスタンスを確認してある」と強調した。
 
2007年2月10日 毎日新聞
全国学力テスト:不参加撤回を 愛知・犬山市議が市と市教委に申し入れ 

全国学力テストへの不参加を表明している犬山市で、同市議16人が9日、不参加を撤回し、児童が参加できるようにすべきだとする申し入れ書を丹羽俊夫・市教委委員長と田中志典市長に手渡した。

申し入れ書は、市議21人中、共産4人と無所属1人を除き、無所属14人と公明2人が署名。「全国学力テスト・学習状況調査は、自治体間や学校間を競争させるものでなく、児童生徒の全国的な学習到達度・理解度の把握を検証し、教育指導の改善や教育環境の充実を図るもの」と参加できるよう求めている。

同市教委は昨年2月、「子供の学力評価は全国一律テストではできない」と不参加を表明、石田芳弘市長(当時)も同じ考えを示した。だが、昨年12月の市長選で初当選した田中市長は「参加を希望する児童、保護者の権利を行政が奪うことはできない」と発言し、市教委との対立が表面化。市教委は16日から教職員と保護者を対象に市の教育改革について説明会を始める予定で、保護者からどんな意見が出されるか注目される。【花井武人】

2007年02月11日 asahi.com
学力テストに懸念の声、廃止の海外事例を報告 教研集会

大分県で開かれている日本教職員組合の教研集会で11日、学力向上を目指して約20年前に学力テストを導入しながら、「逆効果だ」として廃止した英国・ウェールズからの報告があった。日本では4月に約40年ぶりの全国調査が予定されている。参加した教師たちからは学力テストへの懸念の声が上がった。

学力問題をテーマにした特別分科会で、ウェールズ大のリチャード・ドーエティ名誉教授が講演。80年代後半に7、11、14歳の学力テストを導入した結果、学校の授業内容が出題科目に偏り、テスト対策の授業が繰り返されるようになった。さらに、テストが学力向上につながっているのか疑問が出たため、04年に廃止することを決めた経緯を報告した。英国では現在、イングランドでは継続しているが、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの各地方ではいずれも実施していないという。

ドーエティ名誉教授は「学校は子どもや保護者、地域に説明責任を果たさないといけない。しかし、それをテストの数値結果だけに頼ると無理が出る」と指摘。テストの必要性も認めながら、一人ひとりの勉強状況を把握し、個別に評価することの大切さを強調した。

会場からは、学力テストを実施している都道府県の例なども紹介され、「学力は、既にあるサンプル調査や国際的なテストでも分かる。新たに全国一律のテストを実施することのメリットがない」という慎重な意見が目立った。

学力問題の特別分科会は今年で5年目。日教組は「一つの区切り」として終了する方針だったが、参加者から「全国調査が実施されようとしている今こそ、継続することに意義がある」という声が相次ぎ、今後の検討課題となった。

2007年2月16日 毎日新聞
全国学力テスト:不参加、私立の4割 公立は犬山市−−「全国一律」不可能に
 
4月24日に行われる全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、私立学校871校のうち約4割の332校が不参加になることが16日、文部科学省の調査で分かった。一方、公立学校は愛知県犬山市教育委員会が不参加と回答し、参加率は99・96%になる。文科省は全国一律の実施を目指してきたが、不可能な状況になった。

全国学力テストは、原則として小6、中3の全児童・生徒が対象。調査によると、国公私立別の参加校数は、国立が調査対象者の在籍する160校のすべて(参加率100%)▽公立は同3万2119校のうち3万2105校(同99・96%)▽私立は同871校のうち539校(同61・88%)。

私立の不参加校は都市部の学校に多くみられ、理由には全国学力テストが「独自の教育理念や方針」と異なることを挙げているという。また、犬山市教委は「独自の教育理念に合わないので、参加することに支障がある」と説明している。

文科省は全国一律の調査が不可能な状況について、「できるだけ多くの人に参加してもらったほうが正確な数字が出てくる。ただ、(テストの)中心は公立学校だと考えている」と話している。【高山純二】

2007年2月17日(土) しんぶん赤旗
全国学力テスト“個人情報保護されず”文科省に 全教が中止求める

全教(全日本教職員組合)は十六日、文部科学省が四月二十四日に実施する全国一斉学力テストについて、「学校や子どもどうしを競争させ、序列化するという問題点とともに、個人情報保護の点でも大きな問題が浮かび上がっている」としてテストを中止し、実施方法を抜本的に見直すよう同省に申し入れました。

新たな問題として浮かび上がっているのは、文科省と委託を受けた民間企業の「ベネッセコーポレーション」「NTTデータ」に全国の小学校六年生、中学校三年生、二百万人以上の家庭状況も含めた個人情報が集まることです。個人情報保護法に抵触する恐れもでています。

全教によると、文科省が教育委員会や学校に送った実施マニュアル(一月十九日付)では、小学校にはベネッセ、中学校にはNTTデータから問題と解答・回答用紙を送付。「学校名、男女、組、出席番号、名前(漢字とフリガナ)」を記入させます。解答・回答用紙は、そのままこん包して両企業に送り返すよう指示しています。

全教は、この間実施された予備調査などからみて、回答用紙に「塾に行っているか」など家庭状況まで記入させる恐れがあると推測しています。

この日の申し入れで全教の代表は、子どもに固有名詞を書かせることについて、事前に子ども、父母・保護者に知らせ、了解をとるという手続きもおこなっておらず、重大な人権侵害になると指摘。実施方法の慎重な検討をおこなったのかどうかを社会的に明らかにすべきだと求めました。

申し入れ後、記者会見した山口副委員長は、文科省が全国一斉学力テストについて「全国的な義務教育の機会均等と水準向上のため」に児童・生徒の学力・学習状況を調査するものと説明してきたことを指摘。「こうした目的のためなら、テストは無記名でもすむはずだ。記名させることは、児童・生徒を点数で序列化することをねらっているからだ」と語りました。

すでにこうした実施方法には懸念の声が広がっていることをあげて、父母・保護者らが無記名を希望した場合は尊重すべきだと強調しました。
posted by マリンちゃん at 11:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全国学力テスト
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